Vintage Sarome

第二次世界大戦後の1940 年代から1950 年代にかけて、当時ライターといえば金属製オイルライターの事を指していました。ここではガスライター製造に着手する前の、SAROME 社のビンテージオイルライターについてご紹介します。

SWALLOW

昭和26~30年(1951~1955 年)製造。
ROBIN とほぼ同じ時期に製造された、SAROME 初期のライター。ライターの底面には、SAROME SWALLOW S.G.W MFG. CO. EXCELLENT AUTOMATIC LIGHTER と刻印が施されている。アドニス式の着火方式。
大きなタイプと小さなタイプの2 種類があり、小さなタイプのほうが先に製造されている。
小さなタイプにはSWALLOW の刻印が無く、また、SAROME の刻印が他のライターと違いゴシック体となっている。
アンチモニーに取り付けられたテーブルライタータイプもあり、これにはSWALLOW の刻印は無い。
高級玩具の製造から本格的なライター製造へと業務内容を移行していった、当時の背景がうかがい知れるライター。ROBIN と同じく、本格的なライターとして品質評価を受けた初期製品とされる。

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ROBIN

昭和26~30年(1951~1955 年)製造。
ライターの底面には、SAROME ROBIN EXCELLENT AUTOMATIC LIGHTER S.G.W MFG. CO. と刻印が施されている。 大きなタイプと小さなタイプがあり、大きなタイプのほうが先に製造されている。大きなタイプにはROBIN の刻印が無く、代わりに年代の刻印が施されている。ブリキ板の加工と、当時としては珍しい真鍮板の加工が施されたライター。
SWALLOW と同じく、本格的なライターとして品質評価を受けた初期製品とされる。

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ELEGANCE

昭和29~31年(1954~1956年)製造。
ライターの正面にはSAROME ELEGANCE と刻印が施されている。アドニス式の着火方式。当時世の中に出始めた白黒テレビをモチーフに、逆さにデザインしたライターと言われる。大きなタイプと小さなタイプがあり、大きなタイプのほうが古い。現在でも使われる革・電鋳・貝貼りなどの表面加工が、既に当時から積極的に用いられていたのが確認できる。当時のライターは、タンクである本体に上下の部品を接合するSWALLOWやROBINのようなライターの製造方法が主流だったが、このELEGANCEはタンクである本体をモナカ状に半割りされている部品を半田接合して製造されたライターである。半田付けの跡が残らないように、手作業で綺麗に磨き上げられている。また、ライター表面に装飾用の貼りものができるよう、プレスで凹の形状が設けられており、プレスの寸法精度が求められた。
日本国内だけでなく海外にも出荷され、高く評価を受けたSAROMEライター初期の名作とされる。

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LISER

昭和30年(1955年)頃製造。
リサとはサロメ創業者瀬川國冶郎の母の名。
ELEGANCEがヒットし工場は忙しくなったが、國冶郎はかえって暇を持て余した。そんな時に國治郎が遊び心で製造したライター。
このような理由からほとんど製造されなかった。

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SEGAR

昭和30年(1955年)頃製造。
セガーとはサロメ創業者瀬川國冶郎の苗字をもじったもの。
ELEGANCEがヒットし工場は忙しくなったが、國冶郎はかえって暇を持て余した。LISERと同じく國治郎が遊び心で製造したライター。
このような理由からほとんど製造されなかった。

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FALCON

昭和30年(1955年)頃製造。
ライターの底面にはSAROME FALCON EXCELLENT AUTOMATIC LIGHTER S.G. W CO. と刻印が施されている。OSCAR、UNICORN、SHARPと続くシリーズの基礎となったライター。

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OSCAR

昭和31~32年(1956~1957年)頃製造。
OSCARの刻印が施されている。
海外、特に欧州で高評価を受けたとされるライター。
ELEGANCEの表面加工をさらに発展させたライターで、ガラス貼り加工などのダイナミックな装飾も施された。

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UNICORN

昭和32年(1957年)頃製造。
UNICORNの刻印が施されている。
FALCON、OSCAR、と形状が近く、同じシリーズと分類されている。3種の中では唯一のスライド着火方式。FALCON、OSCARと共に、欧州でSAROMEライターのブランド確立に貢献した。

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PET

昭和33~34年(1958~1959年)製造。
OSCARなどのヒットでまた暇を持て余した國治郎が、LISERを小型に形状変更して製造したライター。ストラップなどがライターに取り付けられ、SAROMEのみならず喫煙具製造の歴史上、恐らく初めてではないかと思われる、女性喫煙者を意識して製造された小型ライター。

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SHARP

昭和33年(1958年)頃製造。
ヒットしたOSCARを大きくサイズ変更して製造されたライター。

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LIQUID

昭和34~35年(1959~1960年)製造。
「一回の注入で世界一周。」のキャッチコピーで販売された、世界初の綿無しのオイルライター。
通常のオイルライターにはタンク内部に燃料オイルを浸み込ませる綿が設けられているが、LIQUIDにはそれが無く、金属のみでオイル燃料タンクが密閉されている。
後のSAROMEガスライター製造開発において、技術的基礎となったオイルライターとされる。

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CRUISER

昭和34~35年(1959~1960年)製造。
VINTAGE SAROMEライターの代表作。高級玩具製造出身である國治郎は、これまでにも遊び心でいくつものライターを製造してきたが、クルーザーをモチーフに製造したのがこのライター。
いわゆるギミック形状のライターは、それまでカメラのような形状しか世の中に出ておらず、このCRUISERは発売と同時に驚きを持って迎えられた。国内だけでなく、特にアメリカに数多く出荷された実績をもつライター。

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